目的と手段を取り違えないこと

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これは、私が会社に勤めていた頃の話です。
業界内での競争が一段と激しくなり、収益の伸びも鈍ってきたころのこと、
全社的に業務の効率化が叫ばれるようになりました。

その一環として、各部署で積極的に業務改善に取り組んだうえで、社内の
ほかの部署でも活用できるよう、その事例を共有するという運動が行われる
ようになったのです。

件数の目標が課された結果・・・

よくある話ですが、部署ごとに実施件数の目標が課され、所属員に対しても
それぞれ目標が割り振られます。

また、事例の内容を全社で共有するため、登録された事例を誰でも閲覧する
ことができるシステムが導入されました。

当時の私は、営業本部の事務局として部署ごとの実績を管理したり、運動を
推進するための旗振りをしたりする役回りです。

登録された内容に問題がないかチェックしたり、年に一度行われる表彰制度に
推薦する事例を選定したりするので、本部内で登録された事例の内容は、私が
すべて確認するのです。

登録された事例の中には、良く工夫され他の部署にとっても参考になるような
素晴らしいものがあるかと思えば、こんな内容で業務の効率化といえるのか?
という稚拙なものまで、いろいろありました。

この運動は継続的に行われているので、何年か経つと改善のネタを出すのが
厳しくなってきます。
ネタが尽きてくるのですね。

そうすると、上記のような稚拙な事例や、以前に他の部署から出されたものを
丸パクリしたような事例が出てくるようになるのです。

〇〇件の事例を登録せよと目標を課されるので、苦し紛れに件数を稼ごうと
するのでしょう。
しかし、こういう行動って無意味ですよね。

目的と手段を取り違えることによる弊害

業務の効率化を目的として事例の登録制度という手段を導入したはずなのに、
いつの間にか事例を登録すること自体が目的になってしまったわけです。

そのため、共有する意味のない事例や既に登録された事例が何度も登録され、
それを毎回読まされるのです。
こんな非効率な業務はありませんよね。

システムの中で、どうでも良いようなものに埋もれることによって、優れた
事例が見つからず共有しにくくなるという弊害さえあります。

もちろん、本部事務局として、ひどいものは取り下げや修正を依頼します。
でも、はじめからきちんと考えて登録してくれれば、それも本来はやらなくて
いい余計な業務と言えます。

経営資源の限られた小さな会社では、そんな無駄なことをやってるような
余裕はありませんよね。
無駄なだけでなく、それが弊害を生むとなればなおさらでしょう。

あなたの会社では、こんなことになってる業務はないでしょうか?

その業務は、そもそも何のためにやっているのか?
手段が目的化していないだろうか?

ときには立ち止まって見直すことも必要です。

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