戦略と戦術の違いを知る重要性

会社経営において、普段何気なく使われることが多い戦略と戦術という用語。
その違いを理解しておくことは、ビジネスを行ううえでは重要です。

でも、多くの人が戦略だと考えているものが、実は戦術のことだったりするの
です。
このような誤解を生む原因のひとつは、テレビの影響があるのかも知れません。

戦略と戦術の違い

戦略と戦術は、ご存じの通りもともとは軍事用語ですね。
戦略とは、戦争の中で自国が勝ち残るためのシナリオであり、長期的な展望に
立って何をするかを決めること。
一方、戦術とは、戦略を実現するための具体的な方法や手段と言えます。

戦争を競合他社との競争に置き換えて、そのまま会社経営でも使われるように
なったわけですね。

戦略と戦術を登山で表現してみると

会社経営だと複雑なので、もう少し単純化して山の頂上を目指す登山に例えて
みましょう。

頂上を目指す道には、ずっと勾配が変わらず頂上まで坦々と登り続けるルート
もあれば、始めは平たんで途中から急坂になるルート、逆に始めが急で後半が
楽になるルートなど、いろいろあります。

中には川を渡ったり滝登りが必要となるルートや、頂上まで届かずに途中で
行き止まりになってしまうルートもあるでしょう。

この場合、どのルートを通るのかを選択して決めるのが戦略で、そのために
必要な装備が戦術というふうに例えることができます。
ですので、戦略は目に見えないもので、戦術は目に見えるものとも言えます。

なぜ成功例をマネてもうまくいかないのか?

テレビでよく「〇〇会社の△△戦略」などと放送されるのは、実は目に見える
戦術だったりすることが多いのです。
戦術より戦略と言った方が視聴者の受けがいいけど、テレビでは目に見えない
ものを扱うのが難しいからでしょうね。

テレビで見てそれをそっくりマネしてみたところで、本来は基盤となる戦略が
必要なのに、それなしに戦術だけを実行することになるので、うまくいかない
わけです。

自分たちは崖を登らなければ進めないルートにいるのに、ずっと緩い坂が続く
ルートを選んだ人を見かけだけマネて、それと同じ装備で山登りをするような
ものですからね。

戦略と戦術を取り違えると、気づかないうちにこんなことをやってしまうの
です。

戦略の本質とは?

ルートを進んで行く途中には、川や崖など様々な障害物があります。
そして、自分がどのルートにいるのかが分からないと、目に見える障害物の
どれをクリアすれば先に進めるのか分からない状態になってしまうのです。

戦略は、そこにある障害物が自分の進むべきルート上にあるものかどうかの
判断基準となるものです。

その判断基準がしっかりしてないと、越えなければならない障害物が分からず
軽装で崖に挑んだり、逆にすべての障害物を越えないと先に進めないと思って
立往生してしまったりといったことが起こります。

戦いを省略すると書く通り、やらなくていい不要な戦いを避けて、いたずらに
消耗することなく勝ち残るというのが戦略の本質です。

あなたの会社がもし、やることが多すぎて手が回らないという状態だとしたら、
一度立ち止まって戦略と戦術の整合性を見直してみてはいかがでしょうか?
必要もないのに滝登りなんかしてたら、頂上に辿り着くまでに体力が尽きて
しまうかも知れません。

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