クロスセルとアップセルの考え方
売上を上げるための重要な概念として、クロスセルとアップセルがあります。
どちらも、お客さんが購入する単価を上げることを目的として、売上アップを
狙う上では非常に効果的な手法です。
クロスセルとアップセルの違いを知っておくことは、売上アップのために
あまり役立つとは言えませんが、まずは参考までに軽く説明しておきます。
クロスセルとアップセルの違い
クロスセルとは、お客さんが購入を決めた商品とは別の商品を売ることです。
購入した商品に関連したものを売る場合が多いですが、それだけに限りません。
例えば、マクドナルドでハンバーガーを注文したときに、「ご一緒にポテトは
いかがですか?」と勧められるのがそうです。
一方アップセルとは、お客さんが購入を決めた商品と似たようなもので、
それよりもグレードの高いものを勧めることです。
例えば、ポテトのMサイズを注文したお客さんに対して、「今ならLサイズが
割引になっていてお得ですが、いかがですか?」と勧めるものです。
このひとことを追加しただけで、マクドナルドは売上を大きく伸ばしたと
言われてます。
でも、その後、バリューセットなどのセット販売が主力となった現在では、
このフレーズを生で聞くことは、あまりなくなったというのは余談です。
重要なのはタイミング
重要なのは、クロスセルとアップセルの違いではなくて、その考え方を
を知っておくことです。
どちらの場合も、購入を決めたタイミングで勧めてますよね。
お客さんが購入する意思を固めたその時は、お財布が開いている状態です。
つまり、この時が最も買ってくれやすいタイミングということになるので、
ここで単価アップの提案をするわけですね。
ここまで読んで、「それって、売る側の論理では?」と思うかも知れません。
でも、それは違います。
先のマクドナルドの例でも、あくまで提案であって最終的に購入を決めるのは
お客さんです。
お客さんのためになる提案が最も重要
クロスセルやアップセルでは、商品の購入によって、お客さんにより良い
結果をもたらすと思われるものを勧めれば良いのです。
例えば、車を買ったらカーナビを付けた方が道に迷わなくて済みますよね。
手入れした方が長持ちするような商品なら、そのためのツールも揃えた方が
長い間、しかも良い状態で使ってもらえますよね。
それを提案してあげれば良いのであって、それを最終的に採用するかどうかは
お客さんの判断に任せるのです。
逆に、提案せずに後でお客さんが困ったりすると、満足度が下がってしまいます。
良い提案をするためには、お客さんのことを良く知っておく必要があるので、
それは決して売り手だけの論理ではありません。
仮にあなたが提案しなかったとしても、お客さんは後で必要になれば他で買う
ことになるでしょう。
正しく商品を勧めれば、たとえあなたが提案した時点でお客さんが買わなかった
としても、後で必要になった時に「やっぱりあの人の言う通りだった。」と
いうことになります。
結果として、商品の専門家としてのあなたの信頼性を上げることにつながり、
次に提案したときには高い確率で買ってもらえるようになるのです。