限定販売するときの注意点
商品を販売するときに効果を発揮するものの1つに、「限定性」があります。
数量を限定する「限定品」とか、期間を限定する「今だけ」や「期間限定」
とかいうものですね。
これらは、うまく使えばお客さんの背中を押すための有効な手段となります。
「限定性」に釣られて、思わず買いたくなってしまったことが、あなたにも
あるのではないでしょうか?
「限定販売」するときの注意点
でも、「限定販売」をする際に、ひとつだけ注意しなければならないことが
あります。
それは、納得感のある理由を明示することです。
例えば、
特別仕様で少しだけ生産した。
手作りなので一度に大量には作れない。
会場スペースの都合で人数が限られる。
などです。
これらの理由がないと、「限定性」の効果が薄れてしまうのです。
理由づけの重要性
米国の心理学者が、コピー機に並ぶ人々の列を対象とした実験を行ったところ、
次のような結果となりました。
単に「すみません、先にコピーを使わせてもらっていいですか?」と尋ねた
場合は、約6割が列に入れてくれた。
これに対して、「すみません、急いでいるので先にコピーを使わせてもらって
いいですか?」と理由をつけて尋ねると、何と9割以上が列に入れてくれた、
というものです。
理由づけが人の行動に与える影響を示した実験といえますね。
仮に、コストもかからず簡単に量産できるPDFファイルを数量限定で特典に
したりすると、「なぜ限定する必要があるのか?」と疑問に思われてしまう
でしょう。
普段は有料で提供している内容が含まれるとか、大量にばら撒くと支障のある
理由がなければ、お客さんに不信感を抱かせることにもなります。
シンプルで分かりやすい理由を明示すれば、「限定販売」の効果を十分に発揮
することができるはずです。
理由は何でも良い?
因みに、くだんのコピー機の実験ですが、「コピーを取らなければならない
ので、先に使わせてください。」という理由でも試しています。
結果として、割り込む理由としてはちょっと疑問のある理由づけでも、枚数が
少ない場合には9割程度が受け容れてくれたそうです。
不利益が小さい場合には、理由の内容は大した問題ではなくて、ただ理由が
ありさえすれば受け容れるというのは、人の寛容さを表しているようで面白い
ですね。
でも、割り込む枚数が多くなると、やはり納得できる理由がないと受け容れる
割合は少なくなる結果となっています。
ビジネスでは、きちんとした納得感のある理由が求められると考えるのが無難です。