社員が “理念を自分の言葉で語れる” ようになるステップとは?

「うちの理念、壁には貼ってあるけど・・・社員が語れるかといえば微妙」
「朝礼で唱和してるけど、意味や背景まで理解している人は少ない気がする」
「理念が “飾り” になってしまっている・・・」
こう感じる経営者は少なくありません。
しかし、社員が理念を自分の言葉で語れるようになると、現場の判断や行動がガラリと変わります。
なぜ “自分の言葉で語れる” ことが重要なのか?
理念は「社長の想い」を形にしたものですが、現場で行動に落とし込むのは社員です。
自分の言葉で語れるということは――
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理念の意味を理解している
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自分の仕事と理念をつなげて考えている
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日々の判断の基準として使える
つまり、理念が現場で “生きている” 状態になっているということです。
社員が理念を語れるようになる3つのステップ
ステップ① 理解する
まずは「理念の意味」を正しく理解してもらう段階です。
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社長や創業者が直接語る場を設ける
→ なぜその理念にしたのか、背景やエピソードを伝える -
事例とセットで説明
→ 抽象的な言葉を、実際の仕事やお客様対応の事例に結びつける
📌 ポイント:
理念の文章を暗記させるより、「なぜそれが大事なのか」を心に残すことが大事です。
ステップ② 共感する
理解だけでは、人は動きません。「それ、いいな」と思える共感が必要です。
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グループで理念について話し合う
→ 「この理念がある会社ってどんな会社?」 -
自分の経験とリンクさせる
→ 「過去の職場や経験で、この理念に近い出来事はあった?」 -
社員同士で「理念に沿った行動」を見つけ合う
📌 ポイント:
共感は押しつけではなく、自分の感情や経験とつながったときに芽生えるものです。
ステップ③ 自分の言葉にする
最後は、理念を「自分の言葉」に翻訳してもらうステップです。
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ワークシート形式で、「理念を一言で言うと?」を書いてもらう
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「自分の仕事で理念を表すとどうなる?」を考える
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会議や朝礼で1人30秒ずつ発表する
📌 ポイント:
他人の言葉を借りるのではなく、自分の口から自然に出る表現に変えていくことが目的です。
実践事例:ある町工場での取り組み
社員15人の製造業A社では、月に1回「理念対話ミーティング」を実施。
やり方はシンプルで、
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最近あった出来事を1人ずつ共有
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その出来事を、会社の理念に照らして話す
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社長が感想とフィードバックを返す
半年後には、現場リーダーが「これはうちの理念に沿ってるからやろう」と自然に判断できるようになりました。
理念が “行動の共通言語” になった瞬間です。
まとめ:理念は「暗記」より「体感」
理念を浸透させる一番の近道は、現場で使える言葉に変えること。
そのためには、
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理解する(意味と背景を知る)
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共感する(自分ごとに感じる)
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自分の言葉にする(日常で口にする)
この3ステップを繰り返すことが不可欠です。