指示待ち社員が自ら考えるようになる“心理的安全性”とは?

「もっと考えて動いてほしいのに、様子をうかがっているだけ…」
「こちらが言わなければ何もしない。なぜだろう?」
多くの経営者が抱える“指示待ち”の悩み。
制度を整えても、理念を伝えても、なかなか社員の主体性が引き出せない。
実はその背景にあるのが、「心理的安全性」の不足です。
この記事では、「心理的安全性」とは何か、そしてどうすれば現場で育てられるのかをわかりやすく解説します。
「心理的安全性」って、なんだか難しそう?
一見、心理学の専門用語のように聞こえますが、その意味はとてもシンプルです。
「この職場では、自分らしくいても大丈夫」
「間違えても、否定されずに受け止めてもらえる」
そう感じられる安心感のことを、「心理的安全性」と呼びます。
つまり、社員が「バカにされるんじゃないか」「叱られるんじゃないか」と過度に身構えずに発言できる状態のことです。
なぜ「心理的安全性」が大切なのか?
社員が自分から意見を言ったり、動いたりするには、まず「言っても大丈夫」「動いても責められない」という前提が必要です。
逆に、その安心感がないとこうなります。
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意見を言わずに黙る
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問題に気づいても報告しない
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「どうせ言っても変わらない」とあきらめる
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上司の顔色ばかりうかがう
つまり、「指示待ち」は“能力の問題”ではなく、組織の空気の問題であることが多いのです。
心理的安全性がある職場で起きる変化
✔ 会議で社員が自分の意見を言うようになる
✔ ミスやトラブルを早めに共有するようになる
✔ 若手からも「こうした方がいい」という提案が出てくる
✔ 上司に対しても遠慮なくフィードバックができる
このような状態になると、「自分で考え、動く」社員が自然と増えていきます。
中小企業でできる「心理的安全性」を育てる3つのポイント
中小企業が社員の「心理的安全性」を高めるためのポイントを以下にまとめてみました。
① 経営者・上司が「否定しない」こと
社員の発言やアイデアに対して、すぐに「でも」「それは違う」と返していませんか?
まずは、
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「なるほど、そういう見方もあるね」
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「教えてくれてありがとう」
など、一度受け止める姿勢を意識しましょう。
②「間違えること=悪」ではない文化に
ミスを責めるのではなく、「なぜそうなったか」「次にどうするか」を一緒に考える姿勢が大切です。
失敗を“学びの材料”として扱うことが、挑戦しやすい職場づくりにつながります。
③ 何気ない声かけ・雑談を増やす
「最近どう?」
「困ってることある?」
「ありがとう、助かったよ」
こうした小さなコミュニケーションの積み重ねが、信頼関係のベースとなり、「心理的安全性」をじわじわと育てていきます。
まとめ:指示待ちの“裏側”にある不安を見つめよう
「社員が自ら考えない」のではなく、「考えても安心して発言できない」という状況が、実は多くの組織で起きています。
だからこそ、必要なのは「社員を変える」ことよりも、「社員が安心して意見を言える場を整えること」。
その第一歩として、ぜひ社内の“空気”に目を向けてみてください。